今回取り上げるスキー場は、日本国群馬県のパルコール嬬恋スキーリゾートです。
オーナーはパルコール嬬恋(株)です。
スキー場用地の一部のオーナーは、嬬恋村です。
スキー場運営はパルコール嬬恋が行っています。
浅間・白根・万座の眺望が素晴らしいスキー場とのことです。
ハイシーズンの樹氷も美しいとのこと。
全16コースは関東最大級の規模、3.2kmのゴンドラも関東最長と宣伝しています。
ゲレンデ最上部2100m、最下部1370mと、標高が高めなので、雪質に期待できる
スキー場とも言えますね。
但し、強風の影響を受け易いスキー場との評判があるのは気になります。
家族客や団体利用客なども楽しめるゲレンデ構成で、雪上バナナボート等の
ユニークな企画も工夫しているそうです。ソリの大会も開催しています。
なんだ際物企画だけ?と思いきや、スキー回転の大会も開催しています。
レジャー志向から競技志向まで、幅広く顧客の要望に応えようという経営努力が
伝わって来ます。
さて、パルコール嬬恋スキーリゾート、如何でしょう。
スキー場は最長滑走距離約4.5km、標高差約730m、コース面積約85.6haです。
元々のオーナーは、(株)嬬恋紀州鉄道リゾートです。
初期投資約250億円にて1988年設立の第三セクターです。
1989年12月に嬬恋紀州鉄道リゾートがパルコール嬬恋スキーリゾートを開業
しました。
でも実は・・・・・・
1983年12月に嬬恋村直営のバラギ高原嬬恋スキー場が既に開業済みでした。
この開業済の村営スキー場に隣接し、なんと新たに別経営のスキー場を作った訳です。
嬬恋村の立場で見れば、スキー場に二重投資してる訳です。
両スキー場は別々の運営ですから、コスト高の非効率な投資ですね。
リゾートに一点張りという意味では、集中投資です。
柱のゴルフ業とスキー業が不調だと、途端に経営は悪化します。
リスク分散が手薄で、投機的財政支出と評すべきかもしれません。
で、この三セク会社(株)嬬恋紀州鉄道リゾートから2005年3月に会社分割にて誕生した
のが、パルコール嬬恋(株)です。
この時、嬬恋村は村営バラギ高原嬬恋スキー場の運営も、この新会社に委託する形を
取りました。
実質的に2つの近接スキー場の経営が、漸く統合された訳です。
この運営統合策、結果的には遅きに失した感があります。
2014年3月31日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、パルコール嬬恋は自力
再建を断念しました。
設立時に引き継いだ債務や東日本大震災による売上減が、経営を行き詰らせたとの
事です。
結局設立時の投資計画の杜撰さを、克服出来なかったって事でしょうか。
ですが、希望もあります。
ブリーズベイホテル(株)が支援意向を表明しているそうです。
神奈川県のホテル再生事業会社とのことです。
早々支援企業が名乗りを上げることに、この地域、このスキー場の可能性を感じます。
で、BBHホテルグループ(BREEZBAY HOTEL GROUP)のリゾートとして営業継続する
事となりました。
群馬県の西部地域の各スキー場は、苦戦が続いているようですが、事業を継続して
経営が軌道に乗ることを期待します。
全景:パルコール嬬恋スキーリゾート
拡大
斜面
公式
天気
【★関連記事 表示/非表示★】
【★関連動画 表示/非表示★】
0 件のコメント:
コメントを投稿