2015年6月14日日曜日

密苑雲頂楽園・中華人民共和国河北省

今回取り上げるスキー場は、密苑雲頂楽園です。
簡体字表記は密苑云顶乐园、英語表記はGenting Resort Secret Gardenです。
中華人民共和国河北省張家口市崇礼県に位置します。

北京から張家口市迄は、高速鉄道で結ぶ計画で、所要時間は約50分です。
ちなみに、北京から張家口市迄は約180km、高速道路で2時間程だそうです。
其処から下道で約50kmなので、更に1時間ちょっと掛かる行程だと思われます。

オーナーはGenting and VXL Groupです。
マレーシア資本の、ゲンティン・グループ(Genting Group)と中国企業の合弁です。
カジノと遊園地を有するマレーシア最大の高原リゾート、ゲンティンハイランドを経営する
ゲンティン社が中核企業です。創業者の氏名は林梧桐なので、華僑なのでしょうね。

ゴルフ場、ホテル、別荘等を併設する巨大リゾート開発プロジェクトの主要施設の中核が
密苑雲頂楽園スキー場なのです。2015年現在も進行中のプロジェクトです。
規模と投下資金において、中国屈指のリゾート開発案件です。
河北省の経済開発再編五カ年計画に指定されています。

この密苑雲頂楽園と、白馬八方尾根スキー場との業務提携が、報じられました。
このスキー場に、私が興味を持ったキッカケです。
信濃毎日新聞の記事を一部紹介します。

<引用開始>
北安曇郡白馬村の白馬八方尾根スキー場でリフトを運営する八方尾根開発(白馬村)と
白馬観光開発(同)の2社は6日、中国・河北省張家口市にあるスキー場「密苑雲頂楽園」の
運営会社と友好交流・業務提携を結んだ。互いに宣伝して国際的な知名度を高め、ともに外国
からの誘客強化につなげる。
八方尾根開発の倉田保緒(やすお)社長、白馬観光開発の高梨光(ひかる)社長と密苑雲頂楽園
(張家口市)の林致華オーナーらが出席し、白馬村内のホテルで調印式があった。互いに社員の
業務研修や訪問交流に協力することなども盛り込んだ調印書に署名した。
張家口市は隣接する北京市と共催で2022年冬季五輪の招致活動をしており、密苑雲頂楽園は
スキー競技会場の候補地。1998年長野五輪のアルペン会場だった白馬八方尾根スキー場から
開催地の課題や成果を学ぶ狙いもあり、密苑雲頂楽園側から提携を打診した。
2月には下高井郡山ノ内町志賀高原のリフト会社とも提携している。
<引用終了>

記事にもありますが、志賀高原スキー場の索道会社2社とも提携しています。
更に、信濃毎日新聞の記事を紹介しましょう。

<引用開始>
山ノ内町志賀高原のリフト会社、志賀高原リゾート開発と横手山リフトは28日、中国河北省
張家口市でスキー場を運営する「密苑雲頂楽園」と友好交流・業務提携を結んだ。双方の
役職員らが訪問し合って交流したり、互いのスキー場をPRしたりする。
<引用終了>

提携先は、日本だけではありません。スイス企業LAAX, the Weisse Arena Gruppeとも提携
しています。

ネットでちょっと調べると、中国の他のスキー場運営会社も、この様な攻めの経営姿勢が
目立ちます。中国企業の勢いを再認識させられます。

業務提携は、まぁ、結構です。
私が日本企業に期待するのは、業務提携の利益をしっかり得る強かさです。

多額の金銭が絡む資本提携や商取引の場合は、一層厳しく検証すべきです。
財務諸表が信用出来ない体質の中国企業が、非常に多い。
まぁ、東芝の不適切会計処理の件があるので、日本も偉そうに出来ませんが……

中国ビジネスで痛い目に遭った日本企業は、非常に多い。これに異論は無いでしょう。
「反日運動が公に認められている国を相手にビジネスをする」というのは、「日本人に酷い
ことをしても、無問題と思ってる人とビジネスをする」という、危険性が高いという事です。
危機感が無い日本企業が騙されても、同情は出来ません。

それにしても、2022年冬季五輪の招致に向け、怒涛の投資、開発、提携ですね。
しかしながら、2018年平昌冬季五輪の直ぐ後に、同じアジアの中国で連続開催??
いくら冬季五輪の人気が夏季五輪に劣るとは言え、そんな可能性あるのでしょうか?
サッカーのFIFAが、招致絡みの汚職で混乱してますが……
国際オリンピック委員会は大丈夫?

ソチ冬季五輪の女子モーグルの結果に納得していない私は……
オリンピック委員会や競技団体に対し、疑念を抱いているので……
不正は、するなよ!!スポーツを、汚すなよ!!m9( ゚д゚)
……という気分です。
私の邪推、あらぬ疑いであって欲しいものです。

さて、密苑雲頂楽園、如何でしょう。
スキー場は、総滑走距離約70km、標高差約375m、面積約250haです。

このスペックは、計画完成時の数値です。
Google Earthで立体的に表示して観察すると、このスペック程の山容には見えません。
尾根から分岐するコースを増やして、規模を稼ぐって事なのでしょう。
斜度が足りないコース設計かな~というのが、私の印象です。

滑走動画を観た印象では、ゲレンデは圧雪整備され、快適そうです。
人工ウェーブのコースも映ってます。良いんじゃないですか。
コブ斜面も映ってますが、これは申し訳程度。一応ありますって感じ。期待薄です。
風景の感じで、降雪はそんなに多くなさそう。斜度はたいして無さそう。
滑走距離がそこそこあるので、中級者が楽しむには十分。
上級者には、コースが単調で物足りないかも。

万龍滑雪場と山頂部で隣接しています。
北西斜面の万龍滑雪場に比べ、南東斜面の密苑雲頂楽園の方が、雪質的には不利かも。

もしこの2つのスキー場が公式に接続していて、実質1つのスキー場として滑走可能ならば
大規模なスキーリゾートだと評価出来ます。
ですが営業的に提携しておらず、共通リフト券がありません。

現地のコース管理状況は不明ですが、日本人旅行者の「その気になれば、行き来できる
らしいと聞いた」との口コミ情報があります。
日本企業と提携するのも良いが、隣の万龍滑雪場と提携するほうが、確実に魅力が増す
と思うのですが……

( ̄□ ̄;)ちなみに、そのHPには、文法的に破綻した日本語の口コミが載ってます……
お前、絶対、日本人じゃ無いよな!!な!!m9( ゚д゚)
┓(;´_`)┏まぁ、ステルス・マーケティングする、中国企業の商魂逞しさに脱帽です……

スキー場産業興隆期の中国。
膨らんだ経済が破裂する不安もあります。
それでも、今後も、日本のスキー場と中国企業の提携のニュースは続くと思います。
呉越同舟の例えもあります。
繰り返しになりますが、日本のスキー関連企業よ、どうか強かに!!

全景:密苑雲頂楽園

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