今回取り上げるスキー場は、日本国山形県の小国町横根スキー場です。
オーナーは小国町、おぐに白い森(株)が運営しています。
国道113号沿いの道の駅「白い森おぐに ぶな茶屋」に隣接しています。
道の駅併設のスキー場という形態は、公営系スキー場の生き残り策として可能性を
感じます。この形態、他の地域にも有りますね。
小規模と言うか、ちっぽけなスキー場です。
初心からせいぜい中級者までが楽しめるゲレンデという感じのようです。
ですがナイター設備を備え、平日にも就業就学後、滑走可能です。
流石雪国、素晴らしい!
そして、ハーフパイプコースを完備しています。
さて、横根スキー場、如何でしょう。
標高差約220m、最長滑走距離約500m、コース面積約5haです。
スキー場産業が長年のドン底期をようやく脱するのではと、最近期待されています。
相次ぐ休廃業と合理化、経営資本の集約化等はスキー場産業の生存には必要でした。
隣接スキー場が統合し、1日券での滑走エリアが広がる事、私は歓迎です。
デカイのは良いこと。やはり正義です。
ですが、ちっぽけなスキー場が個性を発揮し意地を見せる。
これ又、良いこと。正義です。
この横根スキー場はソチ五輪メダリストをサポートしてきました。
スノーボードHPの平野選手です。
「たまたまこのスキー場に練習に来てた」訳じゃありません。
ここのハーフパイプの評判を聞いて選択し、コース管理者と昵懇になり
コース整備に要望をし、コース管理者がそれに応えていたそうです。
大規模スキー場で、世界クラスのスノースポーツ選手を全力で支援したと胸を張って
言えるスキー場が、はたして幾つ在るのでしょう?
たまたま練習や大会に来たこと有るじゃ無くて、日々の練習環境を選手の要望に沿って
整えてこそ、その選手のホームゲレンデです。
読売新聞の記事の一部を紹介します。詳細は記事本文をご確認下さい。
<引用開始>
同スキー場で15年前からコースの整備を続ける高橋恒行さん(62)は「やり始めた時
から、雪の感触をつかむのがうまかった」と話す。小学4年の頃には、半円筒状の
コースから高々と飛び上がる姿を目の当たりにし、直感した。「この子は天才だ。
もしかしたら五輪も行けるのでは」
日々のコース整備に、高橋さんは平野選手の意見を取り入れた。ブルドーザーのような
大型車両を用いて整備できる大規模コースと異なり、横根スキー場は小ぶり。
より小型のパワーショベルやスコップで整備せざるを得ない点を逆に生かし、壁の傾斜
や表面のなめらかさなどを要望通りに仕上げた。
3年前には、「エアの練習がしたい」とのリクエストに応じ、コース近くに、高さ5メートルに
達する専用の手作り練習台を設置した。
ここで平野選手が完成させたのが、得意の「ダブルコーク1080」。横に2回転しながら縦に
3回転する、世界でも数人しかできない大技だ。横根スキー場のコースは、幅や高さが
五輪やW杯の会場の半分程度と小さいことから、平野選手は「(スピードや勢いを付け
られない)ここで出来た技なら、本番では余裕を持って出来る」と自信を見せる。
<引用終了>
横根スキー場は、『のぼうの城』ならぬ『メダリストのスキー場』です。
ちっぽけなスキー場が、メダリストを生みました。
なんとも痛快です!
全景:横根スキー場
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