今回取り上げるスキー場は、日本国滋賀県のびわ湖バレイです。
オーナーは日本ケーブル(株)、子会社のNCリゾートマネージメント(株)が運営を行っています。
京都大阪から極めて近く、手軽にスノースポーツを楽しむには打って付けの都市郊外型
スキー場です。雪道運転で気をつかう事は、まずありません。
しかも意外に滑り応えがあるので、関西圏のスノースポーツにとって欠くことの出来ない
スキー場です。ゴンドラ架け替えコストで存続が危ぶまれた時、署名運動が有った等
地域に愛され重宝されているゲレンデです。
びわ湖バレイは、標高差や滑走距離を稼げる縦に長いスキー場では無いのですが、面積が
ここより広いライバルの箱館山スキー場より遥かに滑走感を得られるコース配置です。
コース設計の妙ですね。
地形遊びが出来るポイントがとても多いですね。チャンピオンは特に色々滑走を工夫できる
コースです。新雪時コース脇の地形で雪煙を巻き上げ、雪を掻き分け進む感覚は極めて
楽しいです。まぁ、新雪を掻き分けると言ってもせいぜい膝下くらいの積雪ですが。
チャンピオンのコース終端は平坦地で失速しがちな地形なのですが、意図的に雪で「うねり」
「起伏」を作って、失速を防ぎ、滑走リズムに変化を付けているのも良いですね。
蓬莱北の上部の人工コブは、エアーを含めたモーグル滑走の一連の流れを
楽しめ、下部の自然コブでは急斜面コブに挑戦できます。
自然コブのリフト寄りのラインは、タイトなピッチで縦に深く、奥伊吹スキー場のチャンピオン
より難しいと思います。まぁ、距離は短いのですが。
それぞれのコースに個性が有り無駄のないコース設計と言えます。
ここより長距離で多数のコースがあるスキー場は多いです。
が、各コースに個性が無く、結局ここより「ツマラナイ」大規模スキー場も意外と多いのです。
残念です。
ゴルフ場のコースは、設計者の名前が話題になり、箔が付くことがあります。
スキー場で、コース設計者の名前が話題になり、箔が付く例を、私はあまり知りません。
日本国内では、そのような例は三浦雄一郎くらいですかね?
三浦氏がコース設計者であると宣伝していたスキー場はいくつかあります。
オニコウベスキー場や河内千丈温泉金沢セイモアスキー場等が該当します。
三浦氏のコース監修能力の是非については、ここでは論じません。
コース設計者が尊敬される文化的豊かさで、ゴルフ業界の後塵を拝している?
・・・・・・と、ふと思った訳です。ちょっと言い過ぎですかね。
ちなみに、スノーパークの設営者は、ネット上で評判を聞く機会が有ります。
「どこそこが作るから、今季は良さそう」なんて感じで・・・・・・
箔が付くと言うのとは若干異なるのかも知れませんが、どこのスキー場のシーズン券を
購入するか、この評判で決める人は居ますね。
で、びわ湖バレイでパークの設営をしてる『CLOUD-C』は、概ね評判が良いと思います。
パークは完成度が高く、安全に楽しめます。状況に応じて一晩でガラッと設置アイテム
を変更する事もあります。メインパークの中上級者レーンと初中級者レーンの他に
初心者向けのルーキーエリアを用意しています。
更に今や貴重なハーフパイプさえあります。
大キッカーとルーキーエリアにはスタッフが常駐し、安全管理や助言をします。
当然ですが、途中で定期的にコース整備をしています。
こうした充実したパーク運営はかなり手間が掛かる筈です。
取り敢えずパーク造ったけど、未整備でランディング荒れ放題のスキー場が世間には
多いです。危険です。残念です。
その世間の平均に比べると、びわ湖バレイのパークは優れています。
整地の整備はパノラマゲレンデはそこそこ良いのですが、その他のコースの整備が
甘いかなと思います。
さて、びわ湖バレイ、如何でしょう。
最長滑走距離約2km、標高差約224m、コース面積約22haです。
スキー場スペックですが、POPSNOWは最長滑走距離約1.4km(チャンピオン)と紹介
してます。ですが、蓬莱からダイナミックかアルペンに滑り込む約2kmが最長滑走の
コース取りになると思います。(wikipedia)
日本ケーブルがオーナーになってから、このスキー場が関西メディアのロケで登場
する機会が多少増えたような気もしますが、単に滋賀県の観光推進策の一環で
滋賀ロケーションオフィスが機能してる影響ですかね?
2014年春公開の邦画の予告に、びわ湖バレイから見える景観が映ってます。
まぁ、そもそもメディア露出増加自体、私の勘違いの可能性も高いのですが。
日本ケーブルは、このスキー場取得と同時に積極的な設備投資をしました。
ロープウェイと人工降雪機です。
国内最速最新鋭「121人乗り大型ロープウェイ」でゲレンデまで平均約5分で結ばれて
います。当初は3分半の高速運行でしたが、今最高速を出すのは怪我人搬送の時
くらいですね。
2013-14シーズンも、既に2013年12月15日に冬季営業を開始しました。
予定日の12月14日は積雪不足で中止、12月15日も強風で短縮営業といった具合で
万全とは言えないシーズンインでしたが、その後はほぼ順調に営業をしています。
最新鋭の人工降雪機を近年23台増設したので、寒気さえ入れば以前のように雪不足
に悩まされる事は少なくなりました。
但し、相変わらず強風には弱いスキー場です。
営業中止、リフト運休もありえます。
来場前に天気予報で風速はチェックしておくべきですね。
ネット掲示板で降雪機の話題でスレが伸びていたので、ちょっと追記します。
従来機より自然環境に配慮し且つ省エネ型の降雪機、愛称「キリン」を日本で初導入
したのは、びわ湖バレイです。導入費用は約3千万円。
ちなみに販売はスノーシステムズ(株)です。
実は日本ケーブル(株)の関連会社なので、NCリゾートマネージメント(株)と兄弟関係
ですね。
ネット掲示板によると、その後同じ降雪機が日本各地で導入されているようです。
確かに、びわ湖バレイのゲレンデ状態はこの降雪機導入以降、改善されました。
性能の証明になったのかもしれませんね。
良い販促の実演として、びわ湖バレイが機能した訳です。
なかなか強かで、経営センスの良さを感じます。
日本最速ロープウェイもありますし、びわ湖バレイの投資は的確と評価出来ます。
立体駐車場建設、レストランの拡充、綺麗で広いトイレの増設と、顧客側の希望は
際限ないです。勿論そんな希望に沿って設備投資すれば即破綻です。
適時・適切な設備投資をする経営センスを日本ケーブルには今後も期待します。
スキー場の顧客にとっての快適性と、経営側にとっての安定集客に、設備投資が
不可欠なのを再認識します。
全景:びわ湖バレイ
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